新世界に繰り出す前。
逸品館によった。
実は、前日恩師との会話で、その日の朝、先生が逸品館に行き、店頭でちょい聴きしたが音がよかった、という言葉をきいていた。
少し前に、マランツのCDPのAIRBOWモデルを以前購入した、ということももらしていた。
先生はQuadの66プリや66CDPのファンで、、、───後者は修理を重ねたがついに絶滅、前者は買い直した───ほど愛用。
SPはタンノイ。
僕の好みよりもまろやか志向だと思うが、耳は絶対よいと思う。
一号館の店頭でそんなによい音が?半信半疑だった。
自分は逸品館は愛憎半ばというところ。
CEC改造のCDプレイヤーはとてつもなくよかった。
ふっくらとしていて、帯域バランスもよく。
レコードぽい音がしていた。
刺激臭がなく、音楽そのものという手応えだった。
残念ながら、ターンテーブルが回転する5連装モデルだったため、壊れてしまい修理不可で処分。
随分前。
その後、逸品が推すメーカーのSPを購入した。
これはけっこう高額だったのだが、味がなくてさっぱり。
手放してしまった。
***
ともかく、逸品館に到着。
3モデルの視聴を希望していた。
DALIのMenuet SEがセットアップされていた。
随分小さい。
12cmくらいの印象。
しかし、しばらく前にWEBで見つけた宇野功芳の記事では、弟子の有山麻衣子用に購入した、というくらい推していたので、興味津々。
宇野さんの記事
DALI。
出てきた音は、高域が大変気持ちのよい、爽快感のある音。
硬くない実に音楽的で、透明度もあり、耳に心地よい。
管楽器の音色、解像度は大変なもの。
美味しいスイーツを食べるような印象のSP。
視聴に用いたのは、持参したテンシュテット/LPOのマーラー5番、大阪ライブ。
放送録音なので、そんなに手が加えられておらず、視聴にもってこいだ。なにより演奏がいい。
印象はつかめたので、すぐにWharfedaleを所望。
これが素晴らしかった。
最初は、設置位置が耳の上だったので、「おいおい!この位置で?」と内心思ったものの束の間、そのコクのある音楽性に耳がひきつけられた。
第1楽章、ほとんど通してきいてしまい、二楽章の冒頭もいける、
楽器の質感がいい。
とりわけ、コントラバスの音色、実に深みがある。
Vcやバスの音に腰がある。
スキップしてアダージェット、、、、この楽章、好きではないのだけど、冒頭2秒で勝負あり。
息を飲むようなピアニッシモ。
テンシュテットとLPOはこんなにも心をこめて弾いている、それが眼前に浮かぶ。
auftauchenという言葉がぴったりだ。
こんな音がこのディスクにきざまれていたの?俺はこれまで何を聴いていたのか?
この聴感情のSNの高さはなんじゃらほい?と思った。(これはセッティングの妙か)
結論的にいうと、中域のコクである。
むかしのハーベスのHLコンパクトをもっと濃縮したような密度感。
ハーベスから箱鳴りを取り去った感じ。
このSPを作ったエンジニアのチューニングは絶妙だ。
もう一台、逸品館がイチオシのpolk audioを聴く。
これは位置がより外側だったこともあり、ステージの広さが一番ある。
そして情報量も、一番ある。
能率も高い感じの鳴りっぷり。
ある意味の素の音というか、あんまり化粧はしていない、という感じである。
好む人には好まれるのだろうが、楽器の音色は、断然whafedaleやDaliだ。
クラシックファンには、とりわけそうだと思う。
音色のコクのようなものは、薄い。
聴いていて、もうちょっとSPが音楽を助けてあげてもよいんじゃないの?という感じである。
結論からいえば、Wharfedaleはいい。
帰宅して、サブのDENONの525で聴きながらこれを書いている。
DENONのこのSPもよいと思う。
情報量は、今までのSPの中で一番多い。
あれ?と我が耳を疑う。
ただし、コクやとろみ成分は、ワーフェ様々なのだ。
このあたりは、能率とも絶対に関係があると思う。
ざっくり言えば、能率高めのSPは元気がいい。
情報量はあるけれども、ハイ上がり。(とりわけfostex)
能率低い系は、コクや中域の分厚さがある。
この辺りのバランスの取り方が「塩梅」なのだと思う。
ここでウァーフェデールを買っては男がすたる。
denonは、この冬からリビングで登用したばかり。
もうちょっと、つまりアンプやケーブル、セッティングその他でがんばって、おいこみたい。
追い込むという意味でいうと、逸品館は、どのSPも追い込まれていた。
量販店にありがちな「ぽん置き」ではなく、5万のSPでもサウンドボードのようなものを後ろにはって、追い込んでいた。
この追い込みがすなわち、愛情なのだなぁという感じである。
いやはや耳のご馳走であった。

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